ドローンの操縦は、一般的にラジコンのようにリモートコントローラーで行います。しかし、それでは自分からは見えないところは飛ぶことはできません。そこでコンピュータを登載し、プログラミングすることによって、自律飛行をするタイプのドローンも登場しています。操縦するタイプのドローンに比べると高価になりますが、自律飛行タイプはモードによって操縦することもできるため、両方の使い方ができるのもメリットでしょう。
自律飛行タイプの中でも、ベーシックなものは、GPSを登載したタイプです。GPSからの電波によって、自分がどこをどう飛んでいるかを判断し、プログラミング通りに飛行を行います。GPSという、比較的簡単なシステムを利用しているため普及しやすいというメリットがありますが、場所によってはGPSの精度が落ちるのが難点で、入り組んだ場所などを正確に飛ぶには信頼性に欠けます。そのため、GPSのみを使った自律飛行型のドローンは日本のような狭い土地にはあまり適していないと言えるでしょう。
完全にGPSを使わないものばかりではないのですが、精度や安全性を高めるためにGPSに頼らずに自律飛行をするドローンも増えてきています。前後左右にセンサーを設置することで、障害物を自ら避けて飛行するものや、レーザーによってデータを取得し、精密な3D地図を作製しながらそれに応じた飛行を行うものなど、さまざまなタイプがあり、現在でも開発がすすめられています。東京大学が開発した有名なドローンPhenox2などは、Linuxを登載して飛行経路などを自由にプログラミングできる他、音声認識で操作を行うことも可能。声で離着陸を指示するだけでドローンがその通りに動くなど、最先端の技術を登載しています。
自律飛行型のドローンというと、パソコンを使って複雑なプログラミングを行うことが必要だと思われがちですが、現在では専用のアプリを使ったスマートフォンやタブレットなどで操作することも可能になっています。経路を細かく指定して飛行するものもあれば、目的地を指定すれば自力でそこに飛んでいくものなど、ドローンによってタイプはさまざまですが、素人でも簡単に自律飛行型のドローンを飛ばすことができるのは確か。むしろ操縦の必要がないぶん、操作は簡単だと言ってよいでしょう。